空き地・空き家を再生

空き地や空き家の拡大が全国で大きな問題となっている。特に地方では活用されないまま放置され、地域の衰退を招いている。
その解決の手法として注目を集めるのが「ランドバンク」である。
空き地を集約し、道路の拡張などをして周辺の土地の価値を上げる手法である。
日本ではまだまだ始動したばかりではあるが、地権者、地域、自治体の三方良しにつながるかと非常に期待されている。

老朽化により、売却も賃貸もできず、奥まった場所にあるために「重機が入らないから解体ができない」と業者に断られるといった手の付けられない土地家屋などを複数取り纏め、その所有者の理解を得ながらまとめて再生プランを主導していくことで、それぞれでは活用が困難でも集めることで価値が出て活用が可能となるのが「ランドバンク」の効果である。

「ランドバンク」はアメリカでスラム化した都市の再生手法として広がった経緯があり、日本でも地方都市を再生させる手法として関心が高まっている。
点である物件を面に変えて、人や投資を呼び込む新たな開発手法なのである。
ただ、複数の所有者を説得し、理解を得ていくには膨大な時間と労力がかかる。
自治体が主導している事例もあれば、NPO法人などが手がける事例も進められてきているが、その事業の担い手も大きな課題である。
ボランティアでの活動には限界があり、やはり行政のバックアップは必要だといえる。

しかし、手遅れになる前に、早めに手を打てば、街も変わるきっかけになるので、行政と民間が手を組み、情報を共有し、登記手続きや権利関係に踏み込んだ制度づくりをしっかり進めていく必要がある。